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ボーとすることの効能 [その他いろいろ]

うちの嫁を筆頭に、結構いろんな人に言われるのだが、僕はボーとしていることが多く、人の話も半分くらい聞いてなかったりすることがままあり、人を苛立たせるらしい。申し訳ないなと思うのだが、持って生まれた性格なのでいかんともし難い。

だいたいボーとしているときは、discursiveに考え事をしていることが多い。「知恵が先にたつ」タイプの人は、おそらく目の前にある具体的な事柄に頭を100%使うのだろうが、僕はそういう事に50%しか頭を使わず、残りの50%は空想や抽象の世界に行っている。したがって、目の前のことがおろそかになる。

子供の頃はそういう傾向が顕著で、おかげで交通事故を2回したり、小学校の成績が最悪だったりしたのだが、幸いなことに成長するにつれて、本当にやらなければいけない目の前の現実にそれなりのエネルギーを投入できるようになってきたので、大きな問題はなくなったわけだが、それでも気を抜くとすぐに低エネルギー・レベルに戻ってしまう。「よし、これをやるぞ!」と決意すると、また高エネルギーに戻る。この繰り返しだ。

僕はそういう自分のことをダメな人間だなあと思っていた時期が長くあるのだが、最近、実はこのボケーのおかげで、救われている部分があるのではないかと思うようになってきた。

まず第一に、今までいろんな人を見てきた経験から言うと、目の前の現実を処理することだけに終始している人は、その処理速度がいかに速くとも、深くものを考えることができず、その結果として低い到達点の周りをグルグル回っているに過ぎない場合が多い。頭の回転が恐ろしく速く、「うわー、すごいなあ」と思うのだけれど、実は表層的な考えのみが高速で次々と現れているに過ぎない、という人は結構多い。こういう人は幼少期からの「ボケー」が絶対的に不足していたのではないだろうか?だとすると、「ボケー」もまんざら悪いことではないのかもしれない。

第二に、普段「ボケー」としていることで、本当に意識を集中させなければならない時に、より多くの脳内ケミカルを動員できるのではないだろうかと思うようになった。人間の脳内にある神経伝達物質の量は限られている。必要なときに最大量を使い、そうでないときは貯蓄に回す。こういう営みは実は重要なのかもしれない。

ということで、ボケーとしている自分の自己弁護をしてみたのだが、上記の理屈はそれこそ僕の空想で、全くの出たら目かもしれない。ただ単に僕がアルツハイマー病へとまっしぐらに突き進んでいるだけなのかもしれない。10年後には自分の名前も言えなくなって、ウンチをこねて遊んでたりするかもしれない。そもそもこんなくだらない事をさっきから30分近く書いているという事自体、自分がおかしな人間であることの何よりの証明なのかな。ふう。

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Watcher

自分に思い当たるふしがたくさんありました…ありがとうございます。

ある意味「無駄に」生きることに関する正当化、というのであれば、土屋賢二先生ともう一人(名前失念)の方の幸福に関する本が出版されておりますが、その最終のところで、それに関連する内容が書かれていたように記憶しております。

…今、ぐぐってみましたら「『哲学を疑え! 笑う哲学往復書簡』土屋賢二/石原壮一郎、飛鳥新社」でありました。
by Watcher (2006-04-26 06:34) 

ガワ氏

うわーこんなところに仲間がいた。

私も小学校のころは両親や担任の先生に心配されるぐらいボケーっとしていました。授業中は先生に指示されたページを開かずに、自分の好きな部分をずーっと読んでたりして。おかげで小学校の成績は最悪でした。

しかし、その「ボケー」が思考の深化につながるとのしゃちょうさんの「自己弁護」、私の心に響きます。なぜなら私もそう思っていたから。
by ガワ氏 (2006-04-26 07:05) 

gutta

もっとボケーとしたほうがいいような気がしてきました(笑)
by gutta (2006-04-26 08:45) 

みらの

きっと私は、小さい頃のボケーが不足している人間なのではないかと思いました。表面上の小さなささくれに一喜一憂して反応するより、その裏に潜むもっと本質的なことを同時に考えるためには、50%で相手していてちょうどいいのかもしれませんね。
by みらの (2006-04-26 20:50) 

しょちょう

Watcherさん
面白そうな本の紹介ありがとうございます。
思い当たるフシがありますか?それはよかったです。仲間がいると安心しますよね。

ガワ氏さん
お、ガワ氏さんもボケー派ですか?やはりボケーとしている人は皆さんそういう自己弁護を考えるんですね。これからどんどん社会にボケーの効能を宣伝しましょう!

ぐったさん
たまにはいいもんですよ。いつもだとさすがに迷惑かもしれませんけれども。

みらのさん
いらっしゃい。そうですか、不足してましたか。まあでも先日喫茶店で話したり、そちらのブログを読んだりする限り、裏に潜む本質的なこと考えているように見えますよ。
by しょちょう (2006-04-26 21:12) 

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