11年前のある冬の日(5) [その他いろいろ]
ちくりんの記事からの続き
もういいかげんに止めてくれという声も聞こえてきそうなこのシリーズですが、実はまだ続きがあるのです。
といいますか、ここで終わってしまうと、ただのドンちゃん騒ぎを描写しているに過ぎず、「なんだ、こいつ、いままで偉そうなことブログに書いてたけど、ただのバカじゃん」 という正しい、いや失礼、誤った認識を読者に与えてしまいそうなので、敢えて視聴率の低下を覚悟で真面目な内容を書こうと思う次第であります。
なんやかんやと理由をつけては北海道で落ち合っていた我々3人(ちくりん、ブラザー、僕)であるが、その後どのような人生を歩み、どういう経緯でそれぞれの人生が絡まりあうのかについて述べておかなくてはなるまい。
この手の出会いというのは、学生生活が終わり、就職すれば切れてしまうというのが普通である。せいぜい年賀状での付き合い程度が関の山であろう。
しかし、不思議なことに、我々は切れなかった。僕が奈良で研修医をしていたころ、ちくりんは名古屋で就職活動しており、フリーターのブラザーを関東から呼び出してはよく3人で集まった。そして、年に一回は「信州遠征」と称して、知床で一緒だった女の子を全員呼び出して蓼科で遊んだ。
海外デビューも同じ時期だった。ネパールでインスパイアーされて帰ってきたばかりのちくりんは、僕が研修病院を予定の任期より早く辞めるかどうかで悩んでいたとき、一も二もなくこう言い放った。
「金で時間を買ってでも、アジアを放浪すべきだよ」
この一言で心を決めた僕は、早々に病院を辞め、インド・ネパール・パキスタンを2ヶ月かけて放浪した。このときの決断は正しかったと今でも信じている。
ちくりんが就職し、最初の赴任地が長野になったとき、僕は岐阜のある村に赴任した。隣接県同士なので、よく車でお互い行き来したものだ。そのころは仕事のことでお互い悩みが多く、「つらいな」と愚痴を言い合っていた。それでも、放浪者どうしであるから機動力は抜群で
「東京でテルグ映画(テルグ語のインド映画)やってるんだけど、明日見に行く?」
「おう、行こうか。じゃあ12時に東京駅集合ね。」
と、まるで近所に買い物に行くような感覚で、僕は岐阜から東海道新幹線で、ちくりんは長野から特急で東京に集まったりした。
いまでは年単位で海外を放浪する旅の達人ブラザーであるが、彼の海外体験は僕が誘ったインド放浪の旅から始まった。その他、マレーシアにも一緒に行ったし、タイに至ってはもう何回現地で落ち合ったか分からないくらいの頻度で行動をともにした。タイではいろいろ大変だったときに、影に日向に支えてもらった。
山奥の閉鎖された村社会で仕事していた僕は、時々やってきては刺激を与えてくれる彼らにどれだけ助けられたか分からない。あれがなかったら2年持たなかったかもしれない。
そしてある日、温泉に入りながら、ちくりんと僕は将来のことを話していた。あと2年もすれば仕事に飽きてくるだろう。我々はアジアで多くの経験をした。今度は欧米のパースペクティブを身に着けるべきではないか。そしてこんな約束をした。
「よし、イギリス大学院に留学しよう!」
続きはちくりんのブログで
今回はマジメでしたね(失礼、笑)。いい20代送られたようで羨ましいです。続き、待ってますよ。←こういうヒトもいますんで、打ち切りなんてしないでくださいね。
by gutta (2006-04-11 05:01)
ぐったさん
本当にありがとうございます。もはや読まれようが読まれまいが構わぬ!というつもりで書いたのですが、読んでくださる方がおられるというのは嬉しいことです。
by しょちょう (2006-04-12 00:38)
温泉につかりながら、将来のことを考えてイギリス留学を決めるというのが、かっこいいですね。nice!です。私も「マジメ編」の続きがみたいです。
by ガワ氏 (2006-04-12 09:37)
ガワ氏さん
おや、かっこいいですか?僕ら的には結構普通ですよ。なぜか温泉でシリアスな話をしてしまうんですよね。まだあと2回くらいはあると思います、このシリーズ。
by しょちょう (2006-04-12 12:42)
やっぱり人は「あの頃は良かった」と思うものでしょうか・・・
私はあの頃よかったなぁ~と言うのがたくさんありますね。
by 宙太郎 (2006-04-13 21:03)
そうですね。ノスタルジアですね。人間の精神とは不思議なものです。
by しょちょう (2006-04-14 02:17)