11年前のある冬の日 [その他いろいろ]
人との出会いは運と縁だと思う。それが10年以上続くような交友関係ならば尚更そういう傾向は強まる。
インスピレーションは突然やってくる。ある日「流氷が見たい」と思い立つと、着の身着のままで列車に飛び乗り、本州を縦断し、青函トンネルを抜け、そしてオホーツク海に面した寂れた町、網走にたどり着く。
流氷はたいしたものではない。一度見れば十分だ。その意味ではクラーク博士の像と一緒だ。考えてみると、そもそも流氷がどうしても見たかったわけではなかった。ただ鬱積したエネルギーを開放し、少しばかりの非日常を手に入れたかっただけなのかもしれない。普通の人がカラオケやディスコでやるところの事を、僕は放浪に出ることでしているだけということである。
とにかく、この刑務所で有名な町で流氷をボケーと眺めた僕は、さらなる非日常を求め、未開の大地を東へ東へと進んだ。
2両編成の電車とバスを乗りついてたどり着いたのは知床半島、その中でも最果ての地、岩尾別というところだった、ここから先には人は住んでいない。
人よりも熊の数のほうが多いというこんな辺鄙な場所にも宿がある。2軒あるうちの片方はその名も「地の果て」というホテル。もう片方はユースホステルだった。僕はユースホステルに泊まることにした。これから繰り広げられる、流氷なんかよりも凄い非日常を予感させるに十分なロケーションであった。
宿の人に案内され部屋に入ると、そこはカオスの世界だった。4人定員の相部屋なのだが、脱ぎ散らかされた服や洗濯物、リュックサック、漫画などがそこらじゅうに散乱している。
しかもさらに驚いたことに、この部屋の先客は一人しかいないということが判明した。一人でこれだけ散らかしているというからには、相当長い間ここに泊まっているのだろうと思いきや、実はつい数日前に来たばかりという。やれやれ、やっかいなルームメートに恵まれたものだ。
ぐちゃぐちゃのベッドに寝そべり、ため口で話すその先客はどう見ても十代の少年であり、熊のようなオヤジを想像していた僕は少々面食らっていた。
放浪をする人には独特の雰囲気がある。そういう雰囲気を持ったもの同士だとそれを敏感に察知することができる。僕はこの少年から強い放浪者のオーラを感じた。実際、この少年は旅中心の生活を3年近くしているという。
当時19歳だったこの少年が、後に僕に「しょちょう」というあだ名をつけ、多くの旅をともにし、一時は生活もともにし、10年来の親友関係になろうとは、そのときの僕には想像もできなかった。
そして僕らに遅れること数日、ここ知床の最果てにたどり着いたもう一人の男がいた。僕の人生に少なからぬ影響を与えることになるその男とは・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
この記事はリレー記事です。続きはちくりんのブログにて
お、楽しそうなお話ではないですか。ちくりんさん、早く続きを書いて下さいね。
by どらとら (2006-03-02 02:51)
あれから11年ですかい。
長いですなぁ・・・・
スミマセン。当時ため口でしたか?(^^;;
無礼なガキでしたねぇ~~~(今も?)
部屋、汚かったですか?
1人で散らかしてたとですか??
スミマセン。憶えてないのです・・・
廊下でウノやって、負けた奴をスリッパで叩いてた記憶の方が強くって。。。(笑)
by ブラザー (2006-03-02 14:46)
こっちも書いたよ~。続き夜露死苦!
by ちくりん (2006-03-03 02:45)
どらとらさん
どうやら書いてくれたようです。ぜひ読んでみてください。
ブラザー
だねえ。
こっちは逆にウノやってスリッパで叩いたのを憶えてないよ。同じこと経験してても記憶の内容は違ってくるよね。
ちくりん
おう、わかった。
by しょちょう (2006-03-03 10:04)
なんか面白い試みですね。私にはリアル私を知っている友達ブロガーはいないのでこんな企画は無理そうです(笑)
by gutta (2006-03-03 12:48)
ぐったさん
お友達をソネットブログに引きずり込むってのはどうでしょう?親しい人から見た「ぐった観」というのを読んでみたいです。笑
by しょちょう (2006-03-03 18:16)
面白そうなシリーズが始まったようですね。楽しみにさせてもらいます。
by (2006-03-04 05:25)
みちあきさん
不定期なので次はいつになるかわかりませんが、お楽しみに。
by しょちょう (2006-03-07 12:31)