11年前のある冬の日(4) [その他いろいろ]
ちくりんの記事からの続き。
当初の予定を大幅にオーバーし、なおも続いているこのシリーズ。相手のネット上でのイメージを破壊せんとばかりに、昔のアホっぷりを暴露しあっております。まさに双方ともに玉砕覚悟、焦土作戦の様相を呈しています。
さて、全面戦争によって得るものは何も無いと判断したちくりんは手を変えてきました。直接対決を避け、Sという奇人・変人を登場させることによって、僕自身にその恥話を語らせ、自らの手を汚すことなく自滅に追いやろうという作戦のようです・・・・・・・・・・・
僕はSという男に明らかに好かれていた。それは単なる友情を超えた好意であったように思われる。知床にいたころからその徴候はあったのだが、その感情を明確に感じはじめたのは彼から深夜の電話を受けるようになった頃からである。
「しょちょう、起きてる?俺だよー」
最初の頃はまともに話をしていたのだが、あまりに頻度が多いので段々適当にあしらうようになっていった。しかし彼の勢いは全く衰えることはなかった。
「えへへ、俺さ、家から福知山の工場まで原チャリで通ってるんだけど、毎日60キロで飛ばしながら原野に向かって『しょちょうー』って叫ぶんだよ。気持ちいいんだよー、えへへ。あ、ちなみに俺の電話の短縮ダイアル一番に入ってるのしょちょうだから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日、用事があってSの実家である肉屋に電話したことがある。そこに電話したのはその時が初めてだった。
僕 「あのう、私、しょちょうと申します。初めまして。S君は御在宅でしょうか?」
Sの父 「ああ、いるよ、おーい!電話だぞ!」
S 「誰なんだよー?」
Sの父 「しょちょうさんに決まってるだろ!」
S 「早く受話器かせよ!」
僕 「おい、なんでお父さんが僕の名前を知ってて、しかも「決まってる」とか言ってるの?」
S 「俺、毎日しょちょうのこと話してるからさー」
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Sは自分の興味があることに関しては恐ろしいほどの記憶力を持っていた。
「しょちょうってさー、**小学校の出身なんだよね。」
「なんでそんなこと知ってるんだよ?」
「半年前に北海道で言ったじゃん。」
「しょちょうのお父さんって**っていう名前なんだよね」
「だから、なんでそんなこと知ってるんだって?」
「俺なんでも覚えてるんだ。えへへ。俺って鬼だろ?」
どうやらSは、こうやって僕に自分の記憶力を見せつけ、それに対して僕が驚きの表情を見せることに猛烈なエクスタシーを感じているようだった。
それだけではない、Sは僕の友人はすべて自分の友人でもあると固く信じていた。
彼とちくりんが僕の家に遊びに来て、帰るとき、僕の大学のクラスメートがたまたま同じ電車に乗り合わせていた。このクラスメートは西*という名前だった。
僕 「よう、西*!こいつね、京都から遊びに来てる友達のSっていうんだ。」
西* 「あ、どうも初めまして。西*です。」
S 「ねえねえ、西ちゃんさー、しょちょうとどういう関係なのー?仲いいの?俺ダチだからさ。」
初対面でいきなり西ちゃん呼ばわりされ、僕との関係を問いただされた西*は、明らかにおののき、顔がひきつっていた。その後、彼の僕を見る目が厳しくなったのは言うまでもない。彼とは卒業後一度も会っていないが、いまだに彼をSと引き合わせてしまったことに僕は自責の念を感じている。
幸か不幸か同性愛の気の全くない僕は、その後Sとの付き合いの中で迫り来る身の危険を感じ、またいくつか僕を激怒させる事件もあったため、その後Sとは音信不通の状態になってしまった。
ちくりんとブラザーは、こんな僕の受難を見て大喜びしていたのであった。
続きはちくりんのブログにて
いやあ、最高だね!まったく期待を裏切らない内容で。書いて欲しいなあと思っていたことを漏らさず載せてくれたし。
by ちくりん (2006-03-17 19:08)
(*≧m≦*)ププッ 今日の日記も笑わせてもらいました。
しょちょうさんって高学歴で雲の上の人みたく思ってたけど・・・
なんだか親しみを感じてしまいました~^^
って、私も同性愛者ではございませんが・・・^^;
by ムーミンママ♪ (2006-03-17 22:39)
ちくりん
ご期待に添えてよかったです。そちらとしては作戦成功ですな。
ムーママさん
笑ってもらえてよかったです。ちなみに学歴と雲との間には有意な関係はないと思います。ムフッ。
by しょちょう (2006-03-18 13:05)