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セーム・シュルトとクラウベ・フェイトーザ [ムエタイ・ガオグライ]

遅まきながら先日のK-1を見た。ビデオ録画してなかったので海外のサイトに行って動画を取ってきた。

今回は2名の選手についてコメントを

セーム・シュルト: はっきり言って強すぎ。存在自体が反則とも呼べる圧倒的な強さ。実力が落ちなければ長期政権を築く可能性大で、かなりやばいと思われる。それにしても相手が前かがみになっていないのに膝が顔まで余裕で届いてしまうというのは、相手としてはもうどうにもしようがないといった感じだろう。この人は他の人がミドルキックを出すような感覚で、顔面への膝蹴りを繰り出せるようだ。そしてこの人の前蹴りは他の人の膝蹴りくらいの破壊力があるようで、何気なくコツコツ当ているのだが、それだけで相手は妙に動きが落ちている。何とも不思議な前蹴りだ。ジャブも他の人のストレートくらいの威力がありそう。つまり、セーム・シュルトはストレートやハイキックなどの大技を使うことなく、ジャブとローと前蹴りと膝をコツコツ当ててさえいれば、あとは相手が勝手に倒れてくれるというなんとも恐ろしい選手だ。

クラウベ・フェイトーザ

極真で活躍していた頃から注目はしていたが、今年ここまであがって来るとは思っていなかったのでちょっと驚きである。セーム・シュルトのような「有無を言わせない破壊力」というのは無いのだが、技の美しさはGPの選手の中ではピカ一だと思う。フェイトーザの兄弟子であるフィリオもそうだったが、極真をベースにしている選手は技が綺麗である。タイ人のムエタイ選手にも言えることだが、伝統のある武道を長くやってきた人にはなかなか口で表現するには難しい「伝統に裏打ちされた華」のようなものがある。シュルトも空手出身のようだが、いろんな流派を渡り歩いたせいか、彼にはフェイトーザのような「美しさ」を感じさせない。まあK-1の場合、「美」よりも「凶暴さ」とか「大きさ」のほうに価値が置かれているようなので、フェイトーザ的な美しさが十分に認識されているとは言いがたいが、今回彼が準優勝したことで少しまた再認識されるといいなと思う。


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Bacupile

セーム・シュルト:ジャブと前蹴りがそれほどの破壊力があるのならホントに無敵です。ジャブほど隙が無く、次の動作に移りやすい攻撃法はないし、前蹴りほど一発で相手との距離を保ちつつ牽制もできる蹴り技はありません。それぞれ破壊力が無いことが欠点でしたが、それをメインにし、いつ決め手で仕留めるかのタイミングが選手の能力だと考えていましたが、破壊力があるならとんでもない!!最強どころではなく無敵。
by Bacupile (2005-11-28 01:48) 

しょちょう

Bacupileさん
そうなんです、無敵なんです。彼の一挙一動がすべて他の選手にとっては「トドメの一撃」なんですよ。しかもジャブや前蹴りなんていくらでも連続して出せますから、相手にしてみると1Rの最初からラッシュをかけられているようなもんですね。恐ろしい選手です。
by しょちょう (2005-11-28 09:29) 

sigarami

ご覧になりましたか。
その上この人、巨人系の弱点である、スタミナとバランスの悪さ、
気持ちの弱さを克服してます。

自分のブログでも書きましたが少林寺の人がポイント性の空手の
試合に出てまして、これも本当に面白かったです。 体格で勝る
相手を自分の方針に従わせる戦いでした。

多分しょちょうさんが言われる、
 なかなか口で表現するには難しい「伝統に裏打ちされた華」。

というのは、その流派が常人や他の格闘技との独自性・存在理由を
生み出す為に「鍛錬をしないと出すことすら叶わない動き」の事では
ないかと、思います。 

多くの現代格闘技が、だれでも出せる動きだが修練する事で、
破壊力・スピードを増すという実力至上主義であるのに対して自分達に
しか出来ない動きで戦い、いわゆる喧嘩・闘争から距離を置く為の
ポリシーが感じられます。

「暴力」という忌み嫌われ物を、誰しもが感動する超人的な動きに
よって、意味合いを変え、批判や規制を逃れて、ながらえてきた訳ですね。
(カポエラなんかが代表例ですか.......。)

そして、このような流派には、すべからく演舞があります。
演舞があるか無いかでホントに綺麗に分かれているのが面白いですね。
by sigarami (2005-11-28 11:55) 

宙太郎

本当にそうですね、なんで膝が相手の頭を捕らえるのか!!??JUMPしてないのに・・・恐ろしい。
by 宙太郎 (2005-11-28 12:35) 

玄武癌

シュルトは大道塾出身でもあるので、掴んでの膝とかがうまいですね。(グラウベのKOシーンでも多少頭に手をかけていました)
プライドでは寝技がてんでだめだった、との噂も聞きましたが、打撃ではリーチの長さで圧倒的に有利ですね。

伝統的(?)な武道は多くが型(形)と組手・乱取二つの稽古体系で出来あがっています。そこからさらに基本技(突き・蹴り・投げ・あるいは関節技)を抽出して練習するわけですが、いずれにしても最終的には基本の修練に尽きると思います。
by 玄武癌 (2005-11-28 17:21) 

しょちょう

sigaramiさん
なるほど、「暴力」を一種の「芸術」に変えるのが伝統武道なわけですね。どうりでクラウベやブアカーオの技が芸術的なわけです。その一方で日本人やオランダ人の生粋の「キック出身者」にあまり芸術性を感じないのもそのせいかもしれませんね。強いのは強いんですけどね。
柔道の国際試合を見ていても、(多少の贔屓目はあるでしょうが)日本人のトップ選手の技が一番芸術的に思えます。優勝できなくても芸術性にこだわるみたいな心意気を感じます。

宙太郎さん
そうなんです。恐ろしいんですよ、シュルトってやるは。僕は結構好きですよ、ああいう規格外に強い人。

玄武癌さん
なにげに玄武癌さんとは某大医学部、人類学、そして格闘技と3つのポイントでつながりがあるんですね。なんとも稀有な組み合わせではないですか!これからもよろしくお願いします。
by しょちょう (2005-11-28 23:06) 

ヒロヤちゃんb

 シュルトの優勝は嬉しい。彼くらい才能の無駄遣いをしていた格闘家もそうはいなかったし(大笑)。玄武癌さん、彼のプライドの戦績が今ひとつだったのは相手が悪かったからでしょう。ヒョー$、ノゲイラ、針トーノフらとやってるんだし、負けても仕方ないよ(ついでに言うと、”世界最強のオタク”ジョシュには2度負けてる)。しょちょーさん、玄さん、シュルトVSミルコ、見たくない?
 なんだかんだ言ってもシュルトは打撃の基本が身についてるんでしょうか?K-1のデカブツは大抵技術がないんでその辺が物足りなかったんですがね。
格闘技関連で書きたいことが結構あるんでまた遊びに来ますね。
by ヒロヤちゃんb (2005-12-03 16:49) 

しょちょう

ヒロヤちゃんさん
シュルトが優勝してよかったですね。しばらくは彼の時代が続くでしょう。シュルトvsミルコはぜひ見てみたいです。
by しょちょう (2005-12-03 23:03) 

ひら

ガオグライが5月20日のK-1スカンジナビア大会に出場するようです。
と言っても、トーナメントに出場するわけではなく、スーパーファイトで、しかもムエタイルールで戦うようです。対戦相手はオーレ・ローセン選手。確か先日のHERO'Sに出場していた人ではないかと思います。

http://www.k-1.se/index.php?option=com_content&task=view&id=94&Itemid=40
by ひら (2006-03-30 15:48) 

しょちょう

ひらさん
よく見つけましたね。ガオグライは、ここのところK-1では2連敗ですから、今度は勝って景気をつけたいところですね。応援しましょう。
by しょちょう (2006-03-31 16:15) 

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