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麻生太郎が来た! [学生生活(社交)]

総務大臣の麻生太郎がやってきて大学内で講演をするということで出かけてきた。場所は時々授業で使っている講堂だった。中に入ると、次期首相候補と目されている人の講演にしては案外人がまばら。以前このブログに登場した韓国人のH君 http://blog.so-net.ne.jp/syocho/2005-04-15 や物理学専攻の学部生M子さんがいたので隣に座る。

 

前から2番目の列だったので至近距離で「なま麻生」を見ることができた。テレビで見た時の印象とまったく変わらない。外務省関係の人達が最前列を陣取り、僕の斜め前には田中真紀子と死闘を演じ、一緒に外務事務次官を更迭された野上義二駐英大使が座っていた。顔のヒゲは相変わらずだった。

さて、麻生大臣の英語でのスピーチだが内容自体はまあ当たり障りのない「日本はどうやって経済を発展させたのか」とか「国際平和にどう貢献するか」といったものだった。

「日本人のサラリーマンはアジアに進出しても現地の人と一緒に工場で額に汗して働く、欧米人にはそれができない、これが日本の強みだ」

とか

「旧約聖書の中でアダムは神から罰として労働を与えられた。日本の古事記では天照大神や他の神様が田んぼで喜んで働く」

といった内容。

ところが、ところどころひっかるフレーズがある。例えば

「日本は満州でのテロ封じ政策の経験がある。イギリスも植民地での同様な経験がある。アメリカにはそれがない。今のイラク統治がうまくいかないのはそのせいだ」

とか

「戦争によって壊れた日本の経済だが、幸いにも(fortunately) 朝鮮戦争の勃発があり、日本の経済は急速に上向いた。」

といった発言である。前者に関しては国際平和に関して日本と英国の持つ共通のアドバンテージを強調しようという意図だと思うが、ちょっと無理なこじつけに聞こえるし、後者に関しては明らかに韓国に対して失礼な発言だ。

さて、質問コーナー開始、最初の質問は

「あなたが次期首相になったら、靖国神社に参拝しますか」

おお、でたー、という感じ。麻生大臣曰く

「私は9歳のときに祖父(吉田茂)に連れられ靖国参拝をして以来毎年これを続けている。もちろん首相になっても続ける」

これに関しては僕がもし首相になったら靖国参拝はしないが、彼がそうすることに関しては問題を感じないのでまあいいだろうという感じ。

しかしその後、でるわでるわ激しい攻撃の数々。

「周辺国は日本の再軍備と再度の侵略を警戒しているんですよ!」

「靖国にはA級戦犯も奉られているのですよ!」

「満州のことを公式の場で持ち出すことに問題を感じないのですか!」

そしてついに僕の隣に座っていた韓国人H君が唸る

「あなたのあけすけな(blatant)発言、特に朝鮮戦争を「幸運にも」などと表現する姿勢は問題だ。あなたは国の指導者としての資質がないのではないか」

麻生大臣も唸る

「指導者としての資格があるかを決めるのは私じゃない、周りの人間だ」

・・・・・・・

ということで、なかなか聞き応えのある講演会となったのだった。

H君!写真ありがとね!

 

 


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もんちー

物理学選考のM子です!初めてのコメントをさせて頂こうと思って早速、来てみました。今日のトークはとっても興味深かったです。政治や歴史に疎い私も、いろいろな事もっと知りたくなりました。ちなみにこの前のブログのリンクを見てしまいました!面白いですね!イギリスらしい!お友達にも大うけです。明日からまた試験勉強に戻りまーす。今晩はおやすみです。へへ。
by もんちー (2005-05-07 07:47) 

しょちょう

もんちーさん
いらっしゃーい!今日は楽しかったですね。あの恐怖の動画を見てしまったんですか?きっとあれを送ってきた友人も試験勉強で煮詰まってたんだと思います。僕も煮詰まってます。試験終わったらまた一緒に飲もうね!はじけてしまいそうだけど!
by しょちょう (2005-05-07 08:46) 

どらまきん

はじめまして。どらまきんと申します。
ちょっと前にこちらのブログを発見して以来、毎日楽しく拝見しています。
しょちょうさんの文章はとっても読み応えがあります。

あの麻生太郎が来たというので、思わずコメントに書き込みさせて頂きました。
なんで麻生太郎なん?というのが疑問なところなんですが(彼はOxfordの卒業生ではないですよね?)、記事を拝読する限りけちょんけちょんにやられたのだろうと想像されて思わずほくそえんでしまいました。(←私があの人にどういう感情を持っているのかおわかり頂けると思います)
と同時に、(日本の)外に出て発言してくれるな・・・と頭を抱えましたけどね。
思ったことを口に出すのは基本的にはいいことだと思いますけど、「お立場」もあることですし、脳みその中で「発言するべきか控えるべきか」というフィルターをかけずにそのまま口から垂れ流してしまうのは問題だと思います。
(いつぞやの首相やどこぞの都知事も然り。)
その点でもお友達のHさんのご指摘は「こりゃごもっとも」、ですね。

私は今年の秋から1年間イギリスに滞在予定です。(Oxfordではないですが)
こちらのブログは色々面白い情報もたくさんありますから、今後も拝読していきたいと思います。
長々と駄文で失礼致しました。

あ、私も前回のブログのあの動画を拝見しました。
聞き取れない部分もありましたが、なんだかおかしかったので、友人にもまわしてしまいましたよ。
by どらまきん (2005-05-07 11:08) 

しょちょう

どらまきんさん
ようこそ!麻生さんは英国に別の用事で来ていたようですが、講演を主催したコレッジの学長と知り合いなんだそうで、その関係でオックスフォードに来たというような趣旨のことを言ってました。
彼の発言に関してですが、ああいう物言いはある層の日本人にはすごく受けるんだろうなと感じました。ただ国のトップの座を狙っているのであれば、politically correctな姿勢というものを身につけなくてはなりません。昨日の彼を見ていて、まだトップとして国際社会に出すには恥ずかしレベルかなと思いました。
by しょちょう (2005-05-07 18:24) 

靖国参拝については海外の人はA級戦犯が奉られているから反対といいますが日本の参拝する側の主張は公にしられているのでしょうか?神道では死んだ人は皆神になり罪は追求されないやC級戦犯の中にはアメリカ側の強引な判決で死刑にされた人たちが大勢祭られているなどなど。日本の政治家のいう内政干渉だからいってよしと言うのも強引だと思いますが行くならいくなりの根拠をしめすべきですね。麻生さんですが祖父につれていかれてから毎回言っているだけでは納得できないでしょう特に韓国の人や中国の人などは。
by (2005-05-08 19:13) 

しょちょう

ナイトさん
返事は新しい記事にしてアップしました。
by しょちょう (2005-05-08 22:44) 

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