ブアカーオがナーイカノムトムになった日(3) [ブアカーオ]
二回戦の相手は「悲劇の難民ファイター」ことドラゴ。あのクラウスからダウンを奪って勝ち上がってきたアルメニア人。きちんとしたフォームを身につけていないが、闘争本能と破壊力で相手を圧倒するタイプだ。こういうアウト・ロー的なというか野生児のような選手を、ムエタイ600年の伝統がどうさばくのか、個人的には大変興味深い一戦。
テレビ放送が大幅にカットされていたので詳細は不明だが、すでに1Rで事実上決着はついていた模様。放映直後のドラゴの前蹴りをキャッチし物凄い音のハイキックを叩き込んでいたシーンを見て「これは終わったな」と確信した。
2Rではまたしてもパンチでダウンをとる。一回戦での壮絶なKOシーンが決して偶然の産物ではないことを見せ付ける。このパンチは本物だ。大会前、誰がブアカーオのこのような変貌を予想しただろうか。
僕はこのとき思った。このファイトスタイルの改造は2ヶ月や3ヶ月の付け焼刃でできるようなものではない。きっと去年の大会が終わってからずっとパンチの練習を、それこそ血のにじむような努力でしてきたに違いない。8歳の頃からムエタイを始め、体に染み付いたファイトスタイルを変えるというのは並大抵のことではない。ジムで黙々とミットを殴り続けるブアカーオの姿が眼に浮かぶ。
3Rに入るとブアカーオはもう次の試合のことを考え、完全にエネルギー温存の流しモードに入っていた。ドラゴが投げやりな後ろ回し蹴りをすると、「僕もやっちゃっていい、それ?」と言わんばかりに全く同じ技を見せる(明らかに持ち技ではないらしく、とても見られたレベルではなかったが)。もはやドラゴは野人でも難民ファイターでもなく、ムエタイ600年の伝統に弄ばれる筋肉人形に過ぎなかった。
判定の結果はジャッジ2名が3ポイント差をつける大差の勝利。アンディー・サワーの待つ決勝へと駒を進める。
ブアカーオの後ろ回し蹴りにはびっくりしましたね。よっぽど余裕があったんでしょう。最初は「無茶しないでくれ~!」って思ってたけど今となってはお茶目だなあと思う程度です(笑
あれにはブアのセコンドもビックリしたらしく、試合中に怒ってましたね。
by HIRO (2006-07-02 08:48)
今回の試合で気になることがあるのですが、最近の試合でマサトの体重が毎回70,0キログラムちょっきりです。(ここ3~4試合くらいです)
この階級でグラム単位でそろえるのは難しいと思うのですがどうですか?
ブアカーオおめでとうございます。これ以上うれしいことはありません。
by buakaw fun (2006-07-02 18:24)
HIROさん
あの後ろ回し蹴りと、その後のセコンドの怒りようは本当に笑えました。ブアカーオは結構遊び心が旺盛なのかもしれません。以前、リングの上でラウンドガールと踊り狂っているブアカーオの映像を見たことがあります。
buakaw fanさん
きっとグラム単位で体重をコントロールできるのでしょう。あるいは計量する人がK-1から袖の下をもらっているか・・・・
僕も本当に嬉しいです。これからも応援しましょう!
by しょちょう (2006-07-03 22:37)
yoshi-HERO
by yoshi-HERO (2006-07-04 03:10)
また思い出したのですが、谷川はボンヤスキーに、「ヒーローになってほしい」と言ったそうです。それで、武蔵ほどではなくとも、試合ではひいきしてもらっています。(ホーストが負けて、ひいきだと怒ってました。)
ブアカーオもそのような扱いにはならないですかね?同じ外国人ですが・・・
by buakaw fan (2006-07-04 15:36)
yoshi-HEROさん
9月の試合も強豪相手になると思いますが、今度はぜひ勝って復活してください。応援していますよ!
buakaw fanさん
ブアカーオをヒーロー扱いするかどうかは魔娑斗の動向によって決まります。魔娑斗がこれで引退すれば、当面のヒーローとしてブアカーオが持ち上げられる可能性があります。今までさんざんいびられてきましたから、少し持ち上げてもらうくらいでちょうどいいと思いますよ。
by しょちょう (2006-07-05 00:04)