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K-1 World Max2006開幕戦 [ブアカーオ]

先ほど見終わった。結果的には勝つべき人がほぼ全員勝ったわけだが、多くの勝者にとって非常に後味の悪い内容だったに違いない。

佐藤嘉洋vsマイク・ザンビディス

身長差からくる攻撃半径の違いを存分に生かした佐藤のローキックでザンビディスは1Rから太もも真っ赤。3R中によくダウンしなかったなあと感心するほどの蹴られ具合であった。内容的にも結果的にも佐藤の圧勝。と言いたいところだが、1Rにかなり効果的なザンビディスのフックが佐藤の顔面を捉え、佐藤は一瞬グラつくという危ないシーンもあった。試合後のインタビューによると、このときから記憶が飛んでいたとのこと。あの一発で試合が終わっていたかもしれなかったということを考えると、ブアカーオvsザンビディスの時のような完封試合とはとても言えない。ああいう一発を貰わないためにはどうしたらよいかという課題を得たという意味で、佐藤としては決勝トーナメントに向けて教育的経験をしたことになる。

アンディー・サワーvsSHINOBU

このSHINOBUというモンゴル人のことを僕は全く知らなかったので、てっきりサワーを勝たせるための当て馬かと思いきや、実は恐ろしくタフで、しかも技の完成度も高い選手だということがこの試合を見てわかった。3Rまでは両者互角かモンゴル人やや優位。サワーのお株を奪うモンゴル人のコンビネーション・パンチがサワーの顔面を捉える。結局3R終了時点で判定はドロー。延長ラウンドでも両者ほぼ互角。前年度チャンピオンのサワーがここで敗退か、と思われたものの、結局僅差の判定でなんとかサワー勝利。サワーが弱かったというよりモンゴル人が今回のダークホースだったということなのだろ。恐るべしモンゴル人。

アルバート・クラウスvsトルコ人(名前忘れた)

いきなり3Rからの放映。2Rまではどうやらトルコ人が押していたらしい。3Rはクラウスがやや優位か。結局判定でクラウス勝利。

ブアカーオ・ポープラムックvsヴァージル・カラコダ

一体どうしたブアカーオ!?あんなヘタレな試合を見るために僕は早めに家に帰ってビデオを準備し、放映30分前からテレビの前に鎮座して待っていたわけではないぞ!胸糞悪い。マイナーなボクシング団体の元チャンピオンごときにあの体たらくで、いったいどうするのだ。700年の伝統を持つ国技ムエタイの名が廃るというもの。猛省を促す。

1Rからおかしな展開。とにかく闇雲に突っ込んできてショートレンジからパンチを出すカラコダに対して、ブアカーオは片腕だけの首相撲から膝を何度もボディーに叩き込む。この膝は明らかに有効で、これに気をよくしたブアカーオはこのラウンドを膝中心で組み立てる。

2Rは放映カット。いつもながらTBSのセンスはよろしゅうございます。

3R、ブアカーオの表情が明らかに苦しそう。脚を怪我でもしたのか、得意の左ミドルをほとんど出さない。一体2Rに何が起こったのか?カラコダは相変わらず203高地における日本兵のようにただ突っ込んでくるだけ。ブアカーオとしてはサイドに回りこんで高速左ミドルを連射すべきところを、なぜかしない。1Rからそうだったが、たまに蹴りを見せても、そのスピードが妙に遅い。カラコダのパンチが時々あたる。解説の畑山が興奮する。間合いを詰めてくる相手に対して距離をとるのは得意なはずなのに、なすすべもなく相手にくっつく。結局3R終了時点でドロー。

4Rは何を血迷ったか、ブアカーオがパンチのみで勝負に出る。全く蹴りを出さない。本当に気が狂ったとしか思えない。きっとリングサイドのポープラムック・ジムの会長は頭を抱えて天を仰いだに違いない。タクシン首相が今日退陣を表明したことがそんなにショックだったのか、ブアカーオよ、お前はそんなに熱烈なタイ愛国党の支持者だったのか?そんなことはムエタイの試合とは関係のないことではないか、正気を取り戻すのだ!!

意外なことに、ブアカーオはカラコダとのパンチの打ち合いで若干優勢に立った。そして延長判定を僅差でものにした。ボクサー相手にパンチ勝負を挑むなんて無謀もいいところだ。恐ろしく危ない橋を、運良く渡りきったという感じ。

おそらくミドルを中心に試合を組み立てられなかったのが、あんなに疲れてしまった原因だろう。そして、もしかしたら脚に怪我でもあったのかもしれない。いづれにせよ、ああいう突っ込んでくるタイプの選手への対応を早急に考える必要がある。もう二度とあんな試合をしないでほしい。

マサトvsレミギウス

今回はマサトが見事なKO勝利。前半のレミギウスのラッシュをしのぎ、疲れが出てきたところを老獪なテクニックでマットに沈める。さすがマサトでございます。見直しました。

 

 


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NO NAME

>コヒが相手のけり足を掴んで軸足の膝関節を前面から思いっきり蹴りあげるという、2004年のブアカーオ戦でも見せたあの反則攻撃をまた繰り出す

おいおい蹴り足掴んでけるのは反則じゃねーぞ
何訳わかんねーこといってんだ
by NO NAME (2006-04-06 03:08) 

宙太郎

↑ここに非常識な「NO NAME」さんが・・・
文句の付け方にも礼儀ありでしょう。「黄色札」!!

> 佐藤嘉洋vsマイク・ザンビディス
佐藤選手パンチもらい過ぎです、けりが持ち味なんでしょうけど・・・
たしかにザンビディス選手は最後まで持たなかったと思いますが・・・
後はまっそんな感じかなって試合でしたね。Maxって軽量級のこと?
ヘビーの試合が面白いなと思いました。

リングス(ビターゼ・タリエル)大好き宙太郎より、NGワードに引っかかりました!?
by 宙太郎 (2006-04-06 08:29) 

aky

あなた白鳥忍ことシノブアマラも知らずによくそんな出張った記事かけますね。
書く前にもう少し知識を増やすべきでは?お忙しいのは分りますが・・・
by aky (2006-04-06 09:49) 

杉田整形外科@横浜磯子区、佐藤さん全日本キックに帰って来てよ!

いつも的確な文章で面白く読ませていただいております。でも、佐藤対ザンビで30-29につけていたおかしなジャッジって誰なんですか?サスペンドすべきでしょう。白鳥忍ことシノブアマラも極真出身なんで多分肘、膝はへたくそで頸腕向きだったってだけでしょうね。でもスーパーライト級ぐらいがベストでしょう。イムチビンもそうです。64kg,67kg,73kg級も作ってやればいいんでしょうが所詮頸腕Maxなんて雅人のためのイベントでしょうからやらんでしょうね。
by 杉田整形外科@横浜磯子区、佐藤さん全日本キックに帰って来てよ! (2006-04-06 14:20) 

キック経験者ですが…

3Rのコヒですが、「足を掴んでの攻撃は1回まで」というルールには沿ってますね。それで痛めたイムの足をしっかりと執拗に狙ったのは評価すべき点だと思います。結果としてコヒは勝てましたし。2004年にコヒがやった「足掴んで2回攻撃」のイメージが重なって、しょちゅうさんは胸糞悪くなったのかと。よく分からんけど。

でも、コヒの試合はどうでもいいんですよ。

谷川P
>今回から新ルールでつかみなしということですが、離れて戦う良さというのをあらためて感じました。
>後の選手(ブアコヒ以外)は、ルールに対応しようとする姿が感動的でした。

もう、この人はアホかと。私は逆に、クリンチ無しじゃマトモな立ち技の試合にはならないという事が証明された大会だったと思います。(こんなルール、他じゃやってないのである意味、貴重。)密着時のあのギコチナイというかチグハグというか何ともいえないコネコネした動き…。クリンチ無しだから密着したときに妙~な間ができるんですよね。
カラコダはルールをうまく使った、最高にクダラナイ戦略をとってくれました。ほとんどの人がブアカーオが試合をつまらなくしてるように見えたのでは?ルールやレフェリー、両選手のファイトスタイル、いろんな要素が最悪な形で絡みあってああいう試合になったのでしょう。

ドラゴ <悲劇の難民ファイター>
この煽りはあんまりだろう、、、

はぁー
by キック経験者ですが… (2006-04-06 14:40) 

しょちょう

NO NAMEさん
失礼しました。蹴り足を掴んでの1回のみの攻撃は反則ではありませんでした。2004年のブアカーオ戦でコヒが見せた明らかな反則行為と、今回の行為とは別物でした。コヒに関する記述はすべて削除しました。

宙太郎さん
MAXは70kg以下の中量級です。これより軽いクラスを作るとタイ人ばかり優勝するでしょうし、これより重いと白人ばかりになってしまうので、日本人選手、特にマサトを勝たせるためにはここしかないというピンポイントで70kgになったようです。
佐藤は今回の経験からいろいろ学ぶでしょう。決勝トーナメントではできればブアカーオとは別のブロックになって欲しいです。

akyさん
そうです、忙しいんです。僕は格闘技情報で商売しているわけではありません。シノブアマラを知っていることと、ブログにものを書くこととは何の関連性もありません。文句いうにしても、もう少しマシなこと言ってください。

杉田先生
はじめまして。佐藤vsザンビディスの判定内容についてはboutreviewに詳しく出ています。
http://www.boutreview.com/data/reports05/060405k1max.html
64kgのライト級を見たいですね。本当に強いタイ人はこれくらいのクラスにうようよいますから。でもこれだけ軽いとヨーロッパの選手がいなくなってしまうんですよね。やはり日本人が活躍しようと思うと70kgというのが一番妥当なのでしょう。
by しょちょう (2006-04-06 14:57) 

しょちょう

キック経験者さん
ご指摘のとおりです。コヒに関しては前から悪い印象を持っていたのでつい辛らつな書き方になってしまいます。あの部分はすべて削除しました。
確かにクリンチなし、首相撲なし、膝の連打なしではもう格闘技の体をなしていないと思います。カラコダはそういうK-1のルールをうまく使って、突進→密着→クリンチを誘う→相手の減点を引き出す、という戦略で来て、あわや勝利をものにしかけたわけです。ちなみにboutreviewの情報によりますと、谷川Pは「あの試合はカラコダが勝っていた」と言っているそうで、ブアカーオは相変わらずの嫌われようです。悲しいですねえ。
by しょちょう (2006-04-06 15:08) 

yoshi-HERO

yoshi-HERO
by yoshi-HERO (2006-04-06 20:15) 

しょちょう

yoshi-HEROさん
次もがんばってください。応援してますよ。
by しょちょう (2006-04-06 22:54) 

しょちょう

屑みたいなコメントを何件か削除しました。
by しょちょう (2006-04-06 22:59) 

scot

K-1絡みの記事になると、とたんにコメントがえらいことになりますね。
by scot (2006-04-06 23:26) 

しょちょう

scotさん
お気づきでしたか。えらいことです。ふう。
by しょちょう (2006-04-06 23:32) 

一部だけですが見ることが出来ました。
結果から見れば、割と順当(?)な形で、勝ちあがりそうな選手が勝ちあがってきた感じです。佐藤とザンビデイスに、あれだけ体格差があるとは思いませんでした。
結構、パンチは当たっていたように感じたんですけど、、、、。ザンビデイスが画面で見ると、ちょっと可哀そうかなあ、と。
by (2006-04-07 04:24) 

宙太郎

yoshi-HEROさん
コメント辛口ですががんばってください。
みちあきさんのコメントにあるようにあんなに体格差があるなんて・・・
それでいて同じ枠(体重別)っていうのもなんか不思議に思いました。
しかし身長別ってことはないだろうし。
by 宙太郎 (2006-04-07 08:25) 

しょちょう

みちあきさん
佐藤選手って身長184cmあるらしいですよ。それでどうやって70kgの体重を維持しているのか不思議な気がします。減量きつそうですよね。ザンビディスはここ2試合、いつも痛々しい姿を曝していて、かわいそうです。前回は右腕、今回は太ももですね。

宙太郎さん
一緒に応援しましょう!
by しょちょう (2006-04-07 16:30) 

さむ

アマラ(前白鳥、その前は花戸)のことを知らないイコールあまりキックにはあまり詳しくないといっているようなものですよ。もちろんプログを書くこととは関係ありませんし、おもしろい意見なので私はよくよんでいますが・・・
by さむ (2006-04-08 09:52) 

ぺろろ

首相撲からの膝の連打が禁止されてしまった以上、一時期の極真空手の試合や今回のカラコダのように頭を下げて相手の胸に密着させてとパンチを打ち続けるという戦法がMAXの主流になってしまう気がしてなりません。
膝さえなければ相手の懐が絶対的な安全地帯になってしまうのですから。
ブアカーオも終盤そのハメテクニックに気がついて頭下げてパンチを打っていったら面白いようにカラコダにパンチがヒットしましたよね?まぁ、途中でスタミナが切れて失速してしまいましたが。
選手は皆ルールに適応していきますので、ヒジ無しルールの間合いが前提の選手には武田の超合金パンチは当たりませんし、膝無しルールではみんな頭から突進して行くようになるでしょうね。適応ですよ、適応。
谷川Pもそういう試合展開になることは今まで様々なルールの打撃系格闘技を見てきたはずですので十分理解してるはず。ではなぜあえてこのルールに決めたかといえばやっぱり押したい日本人選手がクラウチングスタイルでパンチ主体の選手だから、ということですかね。
まさとくんはまぁ、オールランダーだから問題無いけど神の子とかがまたMAXに出た時に佐藤やブアに首相撲&ヒザ&離れ際のローもしくは高速ミドルの連打でじわじわダメージ蓄積、そして終盤に嫌ダウンとかになったら商品価値がた落ちですからね。やっぱり興行が一番大事なんですよ~
by ぺろろ (2006-04-15 01:42) 

しょちょう

ぺろろさん
>膝さえなければ相手の懐が絶対的な安全地帯になってしまうのですから

そうなんです、今回のカラコダ戦はそのことがもろに露呈した形となりましたよね。今回から組み付きが反則ということになったようですが、これはやはり、シュルトやブアカーオを封じ、かつボクシング出身者が参戦しやすくなるようにとの配慮なのでしょう。ただ、これによって近距離での膠着試合が増え、つまらなくなるような気もします。
by しょちょう (2006-04-15 07:01) 

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